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第28章 諦めない気持ち(木兎エンディング)


‐木兎side‐

意味分かんねー。
俺が、りらちゃんの事、諦めるワケねーじゃん。

ずっと、憧れてた。
手作りの愛情をくれる女。
バレーを辞めるより、りらちゃんを諦める方が、有り得ねー話だ。

なんで、こんな事聞くんだ?

顔、見えねーから、何考えてんのか、分かんねーよ。

ただ、力強く握られる手が震えてて。
それ、止めてやりたくて。

強く握り返した。

「…私の事、諦めてませんか。」

驚いたみたいに、こっち見たりらちゃんの目。

俺を、ちゃんと見てる。
俺だけを、見てる。

りらちゃんが、俺のもんになってる。

「ゴメンな。」

怖がりで、言うのが苦手なりらちゃんから、言わせるような事して。
俺だって、フラれんの、怖ぇもん。
りらちゃんは、きっと、もっと怖かったよな。

そーゆー意味で謝ったのに、りらちゃんは泣きそうな顔で手を離そうとした。

けど、離してやんねー。
手を引っ張って、抱き締めてやる。

「りらちゃんに、言わせてゴメンな。俺、りらちゃんの事、諦めてねーから。」

腕ん中で、りらちゃんが暴れてる。
でも、嫌なんじゃなくて恥ずかしがってるだけだって分かってる。

「俺、りらちゃんの事、好きだ。マジで好きだ!」

顔を、覗く。
真っ赤になっちゃって、マジで可愛い。
チューしたい。
けど、したらサスガに怒っかな。

そう思ってた俺の唇に、柔らかい感触。
それがすぐに離れて。

「…私も、好きです。」

スゲェちっちゃい声の、ずっと欲しかった言葉が聞こえた。
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