第28章 諦めない気持ち(木兎エンディング)
見学はオッケーだと聞いたから、邪魔にならないように体育館の端で見守る。
流石に小学生のチームには混じれないのか、コートには入っていないけど、生き生きしているのが分かる。
でも、やっぱり…。
木兎さんは選手でいたかったんじゃないか、なんて。
またマイナス思考が頭を過った時、体育館の扉が開いた。
入ってきたのは…。
「…赤葦さん。」
だった。
私に気付いて近寄ってくる。
「木兎さんが、ごめん。」
いきなり謝られても、意味が分からない。
首を傾げて疑問を示す。
「りらは、こういう場所って好きじゃないでしょう?騒がしいし。無理矢理連れてきたの、予想がつくから。」
…で、代わりに謝る、と。
親ですか、貴方は。
思い付いた突っ込みは、嫌な顔をしそうだからしないでおいた。
確かに、こういう場所は得意じゃない。
だけど、連れてきて貰えて。
木兎さんが、選手でなくても、バレーボールに関わっている事が分かって。
「嬉しい、です。」
これが、本音。
「…そう。」
赤葦さんは、その一言を置いて、準備運動をしにいった。
なんだか、機嫌が悪くなった気がしたけど、気の所為だと思う事にした。
その後、何故か黒尾さんまで来て。
赤葦さんと、同じようなやり取りをした。
まぁ、黒尾さんの方は機嫌が悪くなったりはせず、ニヤニヤといやらしい笑顔を向けてきただけだった。