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第28章 諦めない気持ち(木兎エンディング)


目が覚める。
瞼は開けられるけど、体は動かない。
目の前には、木兎さんの顔。
がっちりと、抱き締められているようだ。

起こしたくはないけど、腫れぼったい目元とか冷やしたくて、何とか抜け出そうと試みた。

「…りらちゃん、起きたか?」

そっと離れようとした努力の意味も無く、起こしてしまったようだ。
眠たそうに、半開きの目が私を見ている。

「起きました。顔洗いたいので、解放して下さい。」

意識があるなら、力を緩めて貰えるようお願いして、腕を動かす。
力は若干緩んだけど、離してくれる気がないのか、抜けられない。

「いい加減にしないと、千切りますよ。」

よく、ふざけて布団に入ってきた人を追い出す為にやっていた事をやろうと、男性の大事な部分を掴んだ。
…で、すぐに離した。

なんか、いつもと感触が違ったから。

「何元気にしちゃってるんですか!」

驚きで、つい普段は出さないような大きな声を出す。
一刻も早く、腕から抜け出したくて胸を押した。

「何って、そりゃナニだろ!元気なのは若いからだ!朝のせーりゲンショーは仕方ねーだろ!」

逃げたくても、逃がしてはくれないようだ。
一度は緩んだ筈の腕がまた締まって、苦しい。
堂々と言い返してくる声で耳が痛い。

しかも、威張ったように言うな。
開き直るな。
つい昨晩、そういう…シモ関係の事で嫌な思いした私の前で、よくもまぁ悪いと思わないものだ。

呆れている場合でもない状態なんだけども。
さっきより密着しているから、太ももに当たるしっかりとした感触が気持ち悪い。

「…離して下さい。当たってます。」
「いーやーだー!」

この調子で押し問答を続けて、やっと離して貰えたのは数分後…。
下半身にいっていたらしい血液が頭に上がって、木兎さんのボクトさんが収まった時だった。

朝から暴れたからなのか、腹が減ったと騒ぐ木兎さんの為に食事を作ろうとキッチンに入る。
その後は、何事も無かったように朝ごはんを平らげて、木兎さんは帰っていった。
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