• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第27章 それから。


会場になっているホテルに着くと、一旦は皆と別れる。
それが少し淋しい。
数時間したらまた会えるのに、この人達ともっと一緒に過ごしたいと思ってしまう。

まぁ、新婦の姉が挙式、披露宴欠席して、二次会だけ現れるなんて都合の良い真似は出来ないから、そこは我慢だ。

挙式が終わって披露宴。
親族だからホスト側をやらなくてはいけなくて、無理に表情を作っていたら顔面が引きつりそうになった。

披露宴の終わりの頃、演出としてブーケトスがあると聞いている。
私も未婚だけど姉が率先して取りにいく訳にはいかないから、着席したまま見守ろうと思っていた所で響く司会者の声。

「ここで花嫁からのサプライズが御座います。
花嫁のブーケトスには幸せのお裾分け、バトンタッチの意味があり、ブーケを受け取った方には幸せが訪れる、というお話があります。」

大体は誰でも知っているような説明を始めた司会者。

「今回、誰よりも幸せになって欲しい方がいらっしゃるとの事で、ブーケトスではなく手渡しで受け取って頂きたいと思います。」

続いている司会者の話。
こういう時の嫌な予感は的中するんだよね。

「姉のりらさん、こちらへどうぞ。」

ほら、やっぱり。
未婚の姉への嫌味ですか。
一つしか変わらないんだから、しかもまだ二十代なんだから未婚でもいいでしょ。

薄暗く照明が落とされた会場内でスポットライトが当たっている場所がある。
妹の方は手にブーケを持ってそこに待機していた。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp