第27章 それから。
そういえば、私が抱えていた問題の1つである実家の話は解決した。
赤葦さんが、解決してくれた。
バイト先の常連であった父を、この家に連れて来たのだ。
一応、彼の名誉の為に言っておく。
この時は押し付けがましい親切じゃなくて、私に父と会う気持ちがあるか、確認してからやってくれた事だ。
実家にいた時、妹や弟の為に我慢ばかりしていた私が自分の意見を言える場所。
相変わらず、顔に感情を出す事は少ないけど随分と喋るようになった私を見て驚いていた。
どうせ住んでいる場所がバレてしまったのだから、逃げても隠れても意味がないと思って実家に帰った。
家族は家出同然に出ていった私を許して迎えてくれたけど、皆と出会って変わった筈の私を出す事は出来なかった。
私の所謂デレは、同居人の前でしか出ないようだ。
結局、実家で暮らすのは息苦しくて、また皆の元に戻った。
今度は家出みたいなやり方はせず、両親と納得がいくまで話し合ってから。
いつでも帰ってきていい、と送り出してくれた。
戻った私を撫でたり、抱き締めたりして歓迎してくれた皆は、血が繋がった家族よりも安心出来る存在だ。
私の居場所はこの家なんだ、と実感して今でもここで暮らしている。
私の近況は以上。
次は皆の事でも話そうか。