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第26章 2度目のサヨナラ


入っていたアルコールが顔にわざと掛かるように、ある程度の角度も付けた。

「「ぶっ!」」

2人はほぼ同じタイミングで声を出す。
顔どころか、髪や服まで濡らしたのは予定通り。
ベタつくだろうし、そのまま自然乾燥はさせない。

「…お風呂にどうぞ。時間が勿体ないので、2人で。」
「…え。せめて別で…。」
「俺は後で入るので木葉さん先にどうぞ。」
「是非、お2人で、どうぞ。」

拒否を許さない強めの口調と、不機嫌を表すにっこり笑顔で2人を強引にリビングから追い出した。

液体の大部分は2人が被った訳だけど、そうした張本人である私も腕まで濡れている。
動くと雫が垂れてしまいそうで手を微妙な位置に上げたまま固まってしまった。

タオルを持ってきて欲しいと要求するのは違うと思う。
だって、濡れたのは自業自得だから。

その状態のまま、身動きが取れないでいると手首を掴まれた。
誰かと思ってそちらを向くと、いつの間にかリエーフが隣に来ている。
何をしたいのか分からず首を傾けた時、驚く光景が目に入った。
リエーフが、私の腕を伝う雫を口で舐め取ったのだ。

「りらって甘いな。」

ジュースに近い飲み物が掛かってるんだから、甘くて当たり前だ。
わざわざ突っ込みはせず、腕を引こうとしたけど離してくれなかった。
男の力に敵う訳はなくて、されるがまま。
ただ呆然と手首から腕に口付けるリエーフを眺めていた。
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