第24章 ただいまの後は…
時刻は正午過ぎ。
リビングの端では未だに爆睡のリエーフ。
木兎さんと月島くんもまだ起きてこない。
「…ね、りら。昼御飯は?」
「冷蔵庫、酒しかないよ。」
雑談をして全員が揃うまで待つのにも限界があるようで、お腹が減ったらしいきとりちゃんが食事の話を持ち出した。
「じゃ、買い物の前にどっかで食べてこうか。」
「そう言えば、買い物の目的は?」
「だからヒミツだって。」
女2人で話を進める。
周りは嫌がっているような、微妙な顔をしていた。
「…皆さん、嫌そうな顔してますけど。」
周りを見回しながら誰にと言う訳でもなく声を掛ける。
「嫌そう、じゃなくて悩んでんだよ。…お前、趣味とか好きなものは?」
「料理。」
「だよな。それ以外は?」
「…先にヒント貰ってどうすんのよ。」
答えてくれた黒尾さんと話していると横から突っ込むきとりちゃん。
なんとなくだけど、買い物の目的が見えてきた。
きとりちゃんが欲しいものを買いに行くなら、私の趣味とか関係がない筈だ。
黒尾さんなら、私よりきとりちゃんの趣味は分かっているだろうし。
「…きとりちゃん、今回は?」
ロクでもないゲームと称して私をいつも賞品扱いする人に不機嫌を表す笑顔を向けた。
探るような言い方をすれば、勝手にボロを出すような人だ。
「りらの好きなもの、皆に探させようかな、と。好きなものが一杯ある家ならアンタも帰ってきたくなるかなって。」
「…言いたい事は分かった。けど、金銭が絡むやり方は止めて。」
想像していた内容と一致した言葉に分かりやすく溜め息を吐いた。