第24章 ただいまの後は…
無職のままじゃいけない事なんて分かってる。
考えも無しに家出した所為で貯金が減った今は、特にそう思う。
バイトでも良いから、稼ぐ手立てを考えないと。
「でも、意外ですよね。りら、家事なんかに関しては順序だててソツなくこなすからそうは見えないです。馬鹿なフリしてるんじゃないんですか?」
「コイツ、学力だけなら木兎より下かもよ?小テスト一桁得点とか。理数系ダメ、文系もダメ。実技教科は…。」
「家庭科のみ得意ですね。音楽も体育も駄目です。」
赤葦さんが、話の流れを変えてくれた。
それで食費の話は終わらせたようで、今度は私の学力の話だ。
これも気分が良くない話だけど、食費の返金について話しを続けるよりはずっと良い。
「りらは専業主婦向きなタイプよね。掃除洗濯して、ご飯作って旦那を待ってる感じ。外に遊びに行ったりとかしないし、旦那の給料だけでちゃんと遣り繰り出来そう。」
「…遊ばないから無駄金使わないだけ…って。きとりちゃん、起きてきてたの。」
話の途中から、さっきまでいなかった筈の人の声がして驚く。
親戚だから私の頭の出来が悪いのは知ってるから聞かれていても問題ないけど。
「オハヨ。…で、何でりらの学力について話してたの?」
呑気に朝の挨拶をして、質問をする彼女に食費の話からこうなったと説明した。
「…うん。来月からクロに任せようね。」
「と、言う事だ。諦めて俺に預けナサイ。」
この2人が言い出した事に逆らえる筈がない。
声に出して了承するのは悔しくて、ただ頷くだけで答えた。