第24章 ただいまの後は…
始めに起きてきたのは、普段と同じく朝早い組の黒尾さんと赤葦さん。
まぁ、もう昼だけど。
2人が揃うと木葉さんが終わった筈の食費の話を持ち出した。
「…りら、来月から食費は俺が管理するわ。」
「買い物行くの私ですが。」
「レシート持ってこい。ちゃんと精算するから。」
「残額が分からないと不便です。」
「冷蔵庫にでも書いて貼っておいてやるよ。つか、お前って買い物中に計算出来てんの?」
「携帯に電卓機能あります。」
「…買い物ついていった時、なんかゴソゴソ手元でやってると思ったら…。」
先程の木葉さんと同じく、酷く疲れた様子の黒尾さんが提案してきた。
信用していない訳じゃないけど、金銭を人に預けるのはなんか嫌だ。
「黒尾さん、まず返金を断ろうって考えはないんスか。」
「…あ、確かに。りら、ただでさえ安価で飯食わせてくれてんだから、返す必要は…。」
「あります。家庭は仕事じゃないですし、皆さん学生でバイトくらいの稼ぎしかないのに手間賃なんか取れません。」
「無職が言うな。」
ずっと何かを考え込んでる様子だった赤葦さんが口を挟んできた。
新たな提案の方も私には受け入れがたくて、首を振ったけど痛い所を突かれて黙るしか出来なかった。