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第24章 ただいまの後は…


結局、昼まで起きている事にした。
セミの死骸が落ちてた布団なんて嫌でシーツは外したけど、替えがなくてベッドが使えないし、そもそも酒が入ってて興奮状態なのか眠くもない。
久々にご飯でも作ろうとキッチンに入る。
リビングの方ではリエーフが爆睡していた。

「手伝おっか?」

カウンターから木葉さんがこちらを見ている。
飲み会中に寝てたから、あまり眠くはないようだ。

「…お願いします。」

掛けられた言葉に少し迷ってから返答した。
キッチンに人が来るのは好きじゃないけど、数年でも私より長く職人をやっている人の調理する姿を見てみたい。

招き入れると嬉しそうな顔をしてキッチン側に来た。

「何作んの?」
「買い出しに行ってないので、冷蔵庫にあるもので決めます。」

話をしながら冷蔵庫を開ける。
中身は殆どが飲み物で、食材なんか入ってなかった。
呆れて声が出ない。

「…アイツ等、何食って生活してんの?」
「…私がいない時の事は分かりません。…買い出し、は諦めて昼は外食にします…。」

今から買い物に行く気力はなくて、リビングに戻った。
テーブル脇の椅子に座って財布を確認する。
3人分の食費は突っ返したままだし、家出中に色々と買ったから中身は少ない。
この状態で外食の出費は痛い。

「…食費とかアイツ等から取ってんの?熊野が飯作ってんだろ?」
「頂いてます。私も同じだけ出してますし。余ったら4で割って返金してますが。」
「…ん?4?」

お金を気にしているのが顔に出たのか、向かいに座った木葉さんからの質問。
変わらず財布の中身を数えながら返答した。
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