第23章 仲直り
2人の席替えがあっても、場の空気は変わらず重いまま。
リエーフの馬鹿みたいな発言がないかと期待して視線を向けてみるも、家の出来事を話していたから仲間外れな気分になっているようで拗ねていた。
「…りら、さっきのは、すみません、じゃなくて、有難う、だよ。月島はりらの事が嫌いじゃないよ、って言ったんだから。」
「ちょっ!赤葦さん!」
赤葦さんの声が沈黙を破り、それに反応した月島くんが珍しく慌てている。
「ツッキーもりらが好きならライバルだな!でもりらは俺を選ぶだろ?」
いつの間にか元に戻っていたリエーフが騒ぎ始めた。
あぁ、もう。
単純男は復活が早いな。
さっき、空気を変えてくれなかったんだから、今は黙っていて欲しい。
私の心情などお構い無しに自信過剰な事を言いながら、テーブルに乗せていた私の手を握る。
月島くんが眉を寄せて嫌な顔をしていた。
「…ツッキー呼び止めてくれない?」
突っ込んだのはライバル云々じゃなくて呼び方で、嫌いじゃないイコール好き、ではない事が分かる。
まぁ、今でもキャパオーバーしそうなのに、月島くんにまで好きだとか言われたら困る訳だけど、少し淋しかった。