• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第2章 明くる日


片付けを終えて、冷蔵庫の中身を確認する。
見事な程に食材らしいものはなかった。
詰まっているのは飲み物ばかり、しかも殆どがアルコール飲料。

続いて戸棚等々キッチン内を物色して調味料などの確認。
米もちゃんとあるし、炊飯器は埃を被ってないから使っていそうだ。

冷凍食品とか出来合いのお惣菜ばかりで過ごしてるように見える。
まだ二十代の男女がそんな食生活していると思うと頭痛がしてきた。

一通り確認を終えてリビングに移動すると、二人ともテーブルに伏せて寝ている。

黒尾さんは昨日遅くまで飲んでたから仕方ないとして、木兎さんは寝過ぎでしょ。
食べたらすぐ寝るって子どもですか。

呆れはしたものの起こして五月蝿くされるのも嫌で、放置して昨晩のままになっている缶やつまみを片付けた。

全て終わってしまうと暇になってしまい、取り合えず自分に割り当てられた部屋に一つだけの荷物を運ぶ。

時計を見ても、時間なんか殆ど経っていない。
買い物に行きたくてもスーパーが開くまでまだ時間がある。

時間の潰し方なんて、忘れてしまったな。
仕事をしていた頃は起きている時間全て仕事みたいなものだったし、辞めてからはその日の食事と寝床を探してばかり。
久々のちゃんとした家、自分の部屋、ベッド。
まだ人の家の香りがして、実感はないけど少し気が抜けた。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp