• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第21章 発情期


これは、私の最大限の意思表示。

もう、この人達にご飯は作らない。
ただの同居人。
食事でもなんでも勝手にやってくれ。
きとりちゃんがいた頃からの約束通り、水道光熱費さえ払ってくれればいい。
無理に親しくするつもりはない。
私には、木兎さんがいれば充分だ。

意味に気付いたのか、木兎さん以外の3人が慌てていた。
口々に謝罪を述べている気がするけど、ノイズが混じったかのように私の耳には届かない。

「食事なんか作らなくても、私が来るまでの生活に戻るだけですよ。問題ないでしょう。」

今は誰が何を言っても、ちゃんと聞ける気なんてしないから部屋に戻ろうと立ち上がった。

「皆の方が正しい、と思う。虐待とか、そんな事をしてきた親じゃないから、何かあれば私は会わなかった事を後悔する。
でも、それは自分で選んだ道だから。正しさを押し付ける事ばかりが本当に‘正しい’とは思えない。」

伝えるつもりはなく、ただの独り言のように呟いてリビングから出る。
後ろから誰かついてきている気配があったけど、振り返らずに部屋に入り、ベッドに座った。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp