第21章 発情期
結局、泊まらせる事になるんだ。
どうせ言ってもきかないから諦めないと。
私の諦め癖は、このコの為に形成されたものだと思う。
「…帰りたくなるまで住めば良い。」
溜め息と共に出た言葉に反応して黒尾さんとの言い合いを止め、私の元に寄ってきた。
「有難う。ヨロシクね、姉ちゃん。」
私と同じ顔で綺麗に笑う。
鏡を見ているようだけど、私には絶対にない表情がそこにあって、気持ち悪かった。
「…と、言う訳で皆さん暫く宜しくお願いします。」
その顔をずっと見ている事は出来なくて、皆の方に顔を向けると頭を下げる。
皆は、私が決めたなら構わないと許してくれた。