第21章 発情期
リビングのほぼ中央、絨毯の上に座らされて、目の前には4人。
「…りらちゃん、正直に答えてくれ。木葉んトコ行きたいか?」
避けた理由を問われる訳じゃなく、木兎さんから出た言葉に耳を疑った。
まだ、勘違いしているのだろうか。
まぁ、深く聞かれたくないから誤解も解いてないし、仕方のない事か。
「…昨日、な。皆で話したんだよ。りらが家主代理の責任感で木葉と付き合わないなら、俺等が出てきゃ問題ないんじゃねぇか、ってな。
センパイは他人の俺等だけ住ませるのが嫌だからりらを呼んだ。…なら、俺等がいなければお前は自由な訳だ。」
黒尾さんまで何を言ってるんだ。
私が木葉さんに何をしたか知っているクセに。
あぁ、知っているからこそ‘引き留めたい’意味を履き違えているのかな。
大体、この家に住んでいても恋人が作れない訳じゃないと思う。
「違います。…なんで木葉さんと付き合いたいから皆さんを避けた事になるのか分かりませんが。」
どうして、その考えに行き着いたか知りたかった。
「普通に考えれば分かるよね。彼氏の立場からしたら他の男と一緒に暮らしてる、なんて嫌デショ。」
「…あぁ、確かに。」
月島くんの話に納得する。
かといって、言われて気付くレベルの私がそんな事で避けていた訳はないと、すぐに皆は分かったようだ。
違うなら何故避けた、と視線で問われている。
言える訳もない理由だから、黙ってやりすごそうとした。