• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第18章 オトモダチ、から


木葉さんの顔をじっと見つめる。
目を合わせてくれない。

「私の方が狡いです。」

私の言葉に驚いたようにこちらを見た。
やっと、目が合う。

静かに顔を近付けて、先程よりも少しだけ長く唇を重ねた。
それを離すと、一歩だけ後ろに下がって息を深く吸い込む。
ちゃんと、伝える為に。

「期待させずに貴方を繋ぎ止める方法を私は知らないし、期待させても応えて差し上げられるかは分かりません。
でも、私は初恋の思い出の木葉秋紀じゃなくて、今の貴方を知りたいです。だから、友達として、これからも連絡して下さい。」

言わなければ、伝わらない。
だから、思ったまま、相手を傷付ける事になっても、それを言葉にしなければならない。

「彼女のフリはここでオシマイ。…ばいばい、秋紀。」

いつもとは逆で、私が一方的に喋る言葉を聞いてくれていた。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp