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第18章 オトモダチ、から


電車で目的地へと向かう最中、大した意味もないような話を一人でしている木葉さん。
高校生の頃と変わらない、一方的に話す事を聞いている状態。
違うのは、ずっと手が繋がれている事くらいだ。

目的地に着いて集合場所に行く時もそれは離してくれなかった。
やっと離してくれたのは、集合場所で挨拶回りをした時。
一緒に来ているのだから、会釈くらいはするけど挨拶以外の話を振られても引きつった愛想笑いを返すしか出来ない。
木葉さんの立場を悪くしないように、出来る限りやっているつもりだけどボロが出てしまいそうだ。

そんな時、私と木葉さんの間に割って入ってきた人がいた。
背丈は普通の女性並み、茶色に染められた長い髪は緩く巻かれている。
振り返った顔は目がぱっちりの可愛い系で化粧も薄め。
自分に自信がある感じで、生き生きしている。

苦手なタイプだ。
昔、私をイジメてた女もこんな感じだった。

多分、この子が例の女子高生だろうな。

「木葉サン、今日は私と一緒に回って下さいよ。」
「彼女連れて来てるから無理。」
「えー?ドコにいるんですか?あ、このウドの大木ですか?私、マネキンか何かだと思いましたー。」

人を無視するように木葉さんに腕を絡めて話し出す姿に腹が立つ。
身長やら顔立ち、表情で人形とかマネキンとか言われるのはよくあったし、慣れているけど面倒だからって黙ったら私が来た意味はない。
かと言って、このテの人間には多少のトラウマと苦手意識があって普段より更に上手く喋る自信がなかった。
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