第18章 オトモダチ、から
オトモダチから、という事で木葉さんとは頻繁に連絡を取っている。
連絡がくる時間は大体決まっていて、多分仕事が終わってからだろう夜の遅い時間、しかもほぼ毎日だ。
別に迷惑でもないし、学生時代の時みたいに少しだけ期待して電話を待っている時もある。
その時も、夕食が済んで一日の作業が終わり、部屋で携帯を見つめていた。
電話が鳴るとすぐに通話にして耳に当てる。
『はい、コンバンハ。貴女の秋紀クンです。』
いつもこんな感じでふざけた言葉から会話が始まる。
「こんばんは、木葉さん。毎日飽きませんね。」
この調子でしか返さない私によくもまぁ毎回ふざけられるものだと感心さえしている。
いつも通り、このまま普通に話をするのだと思っていた。
でも今日に限っては違うようで、耳に付けた携帯からは迷ったように、唸る声だけ聞こえてくる。
「…どうかしましたか?」
『…あー…熊野、明後日って空いてる?』
話を促すようにしても、まだ迷うように唸って、数秒してから話が始まった。
手帳を確認すると、言われた日は朝から皆さん予定がある日だった。