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第2章 明くる日


きとりちゃんは朝に弱い。
寝起きが悪くて相手をするのは嫌だけど、仕事もあるだろうし起こさなきゃ駄目だ。

リビングなんかで寝る羽目になったのは私の所為でもあるし。

今ならまだシャワーを浴びる時間くらいあるだろう。
化粧もしなきゃならないだろうし、朝食も。

色々と考えて時間を計算しながら、その人の体を揺すった。

「…んー…。」

ただ唸るだけで起きない。
これくらいは想定内だ。

「きとりちゃん。」

名前を少し強めの声で呼ぶ。
まだ目は開かない。
それどころか、掛けられていた毛布に頭を突っ込んでしまった。

それからはどれだけ揺すっても、声を掛けても唸りすらしない。
多分、本当はすでに起きていて意地になっているんだろう。

「きとりちゃん。朝食はフレンチトースト。」

「…え!?」

彼女の好物を告げると勢いよく起き上がった。

「シャワー浴びて、化粧と着替え済ませて来て。」

朝の準備を並べて指示をすると、きとりちゃんはリビングから去っていく。

コンビニに買い物に行こうと立ち上がり、これから同居人になる人達に必要な物がないか聞こうと顔を向けた。
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