第17章 小旅行
いつも思うけど、木兎さんや黒尾さんがノり易い感じなのは分かる。
何故か、あまりノり自体は良くないクセに毎回参加して、絶対に負ける赤葦さんが理解出来ない。
初めの頃は突っ込みなんかの感覚とか、なんとなく似ているような気がしてたけど、最近のこの人は私にとって宇宙人みたいなものだ。
案の定、今回も始めの一回で一人負けしていた。
「…よっしゃぁー!俺が隣ー!」
何回かの勝負の後、勝者が決まったようだ。
私の隣に木兎さんが座って、体を寄せてきた。
「じゃ、りらちゃん。あーん、してくれよ!」
「なんでいつの間にかオプションついてるんですか。」
これも何時もの事だけど、私にしたら罰ゲームでしかない。
何が楽しいんだ、そんなの。
「前もやってくれたんだし、いいだろ?」
「…まぁ、それくらいなら。」
口移しとか、馬鹿な事を言わなかっただけマシだと諦めて承諾する事にした。