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第17章 小旅行


きとりちゃんが戻ってきた、本来の目的は私が皆と仲直りする事でも、あんな下ネタ満載なゲームをする事でもない。
そもそも、帰ってくるまで月島くん以外を苦手だと言った事も知らなかった訳で。

その、本来の目的を果たす為に皆で墓参りに来ていた。
何故か皆が合わせてバイトも学校も休みの日が、しかも二日間も続けてあるとは思っていたけど、まさか親戚の命日だったとは。
多分、あの家を遺してくれた人達だから、親族でもないのに皆も来るつもりだったんだろうな。
私より皆の方が覚えていた、という事実が悔しくて。
完全に忘れていた自分が恨めしい。

「さて、じゃあ何時もの所に行きますか。」

お墓周りの掃除をして、お参りを済ませるときとりちゃんが言い出した。
何時もの、という事は墓参りの度に恒例で行く場所があると言う事だろう。
私はよく分からないまま、他の面々の後についていった。

辿り着いた先は旅館。
霊園から近く、法事の時に食事処を利用した事のある、自分にも覚えのある場所。
回忌法要でもあるまいし、こんな所でわざわざ食事をする必要はない。
まず第一に、親族は私達二人だけで、後は完全に他人なのに何故。

そんな風に考えている内に、さくさくと気軽に中へ入っていく人達。
どうせ、何を言っても聞かないパターンだろうし、毎回恒例の事なら付き合うしかないだろうと、続いて中に入った。
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