第16章 一緒に寝よう
「ちっくしょー!拾われたー!」
「木兎さん、落ち着いて下さい。あっちに落ちてます。」
「…ぷぷっ。枕なんだから拾っても無意味なのにレシーブ?」
「木兎てめぇ!」
「スパイク禁止!枕でも直撃したら危険でしょ!」
皆さん楽しそうで何よりです。
景品にされている私は楽しくもなんとも無いんだけど。
「…で、何やってたんだ?」
意味が分からずただ飛んできたものを打っただけの木兎さんは首を傾げていた。
「りらと一緒に寝る権利賭けてんの。」
「本人は承諾してないけど。」
敵を増やしたくないのか、黙っていた男性陣とは違ってきとりちゃんが楽しそうに話す。
一応突っ込んだけど勿論無駄に終わった。
「マジで!?りらちゃん、一緒に寝てくれんの?」
ノリ気な人が増えただけで状況は変わらず、再開された枕投げ。
近くに居た人同士でもぶつけ合いを始めてしまって、もう何がなんだか分からない状態になった。
そんな光景を眺めているだけの状態は長続きする訳もなく、睡魔がだんだんと襲ってくる。
このままだと、勝敗が決まる前に眠ってしまいそうだ。
その前に、勝敗の決め方あるのかな、これは。
と、言うか月島くん以外はアルコールも入っている筈なのに元気だな。
こっちは眠くて仕方ないのに。
眠気からなのかイライラとしてきて、立ち上がった。
敷かれたまま、何度も踏まれて崩れた布団に近寄って整え、端に引き寄せて寝転がると途端に騒いでいた音が止んだ。