第16章 一緒に寝よう
飲み会の後片付けをしている内に、木兎さんを月島くんの部屋へと放り込んだ二人が戻ってくる。
黒尾さんは下着を代えるついでにお風呂に入りにすぐに出ていった。
「りら、今日は私と一緒に寝ようか。」
残った三人で黙々と片付けをしている中に響くきとりちゃんの声。
意味が分からないので無視をした。
「ほら、木兎もツッキーと寝てる事だし。」
「そんな事を言ったら、俺は黒尾さんと寝る事になるんで、駄目です。」
「いや、アンタ達まで合わせろとか言ってないから。」
「黒尾さんが悪ノリしたら巻き込まれますよね。」
「そこは止めてあげるから大丈夫。」
「きとりさんも悪ノリして、話を進めるから嫌です。」
言い訳のように続けたきとりちゃんに、却下を告げるのは赤葦さんで、二人で何やら話し始めてしまった。
このまま、赤葦さんが口で勝ってくれれば、わざわざ面倒な押し問答をせずに済む訳で、黙ってやり取りを見守る。
「別にいいじゃない、女同士なんだから。大体、なんで本人じゃなくて赤葦が断るのよ。…あ、もしかしてりらと一緒に寝たいの?」
その一言で赤葦さんが固まった。
いや、早く否定してくれよ。
「各自、別々に寝るって選択肢はないんでしょうか。」
このままだと、どちらか選べ、と言われそうだったから口を挟んだ。