第15章 ゲーム
戻ってきた木兎さんと黒尾さんはぐったりとしている。
赤葦さんも嫌なものを見たとばかりの疲れた顔をしていた。
これで、くだらない事は止めるだろうと思ったけど、うまくはいかないようで。
「りら、覚悟しとけよ。」
「ぜってぇ、やり返すからな!」
二人の復讐心により、ゲームは続行となった。
二回目のカードを引く。
今度は数字の1。
王様は誰だろうか。
お決まりの、王様だーれだ、の掛け声に勢いよく手を上げたのは木兎さんだった。
「俺だー!じゃあ、りらちゃん、俺に膝枕!」
「番号で指定して下さい。」
名指しだとゲームの意味がない。
少ししてから気付いたようで、木兎さんは私の顔を眺めた。
表情で数字を読むとか私相手じゃ無駄だと思う。
「じゃあ…3番。」
「…俺です。」
「赤葦かよ!」
やっと指定された数字のカードを持つ人が、溜め息を吐いていた。
二人で絨毯の上に移動して、命令を実行する。
「かてーんだけど。」
「男の俺に柔らかい太もも期待されても困ります。」
膝枕の体勢で文句を言っている二人。
次のゲームまでは、そのままでいるようだったので、テーブル側に残っていた私達も絨毯の方へ移動した。