第15章 ゲーム
私が拒否の言葉を止めた事でゲームが始まり、裏向きに並べられたカードを各々手に取る。
「「王様だーれだ。」」
ノリノリなのは言い出しっぺきとりちゃんと、木兎さんだけだ。
私は自分のカードを表に向けた。
「私、です。」
ジョーカーを見せ付けるように指先で挟む。
「りら、強運だな。」
「初めなんだから、ソフトな命令にしてね。」
皆がごちゃごちゃ言ってるけど関係がない。
私をこんな事に巻き込んだ事を後悔するくらい、エグい事を言ってやる。
「じゃあ、1と2、下着交換してきて下さい。」
「え。」
「…う。」
反応したのは黒尾さんと木兎さん。
この二人か、つまらない。
「…キツい事言うね。」
「俺じゃなくて良かった…。」
大笑いしているきとりちゃんと、心底安心してる赤葦さん。
「木兎の使用済みなんか履きたくねぇよ。」
「それは俺のセリフだろー!」
「…王様の命令は?」
「「…ぜ、絶対。」」
拒否権はないと弾圧して、二人を席から立たせる。
「あ、赤葦さん。確認お願いします。」
「…げ。」
「分かりました。私が確認します。」
私に見られるよりはマシだろうと仏心を出したのに嫌がられたので、立ち上がって二人に近付いた。
「ちょ、ちょっと待てって!」
「りらちゃんヤメテ。お嫁にいけなくなっちゃう。」
後退りしながら距離を取ろうとする二人を壁際まで追い詰める。
「あ、あかーし!タスケテ!マジで!」
木兎さんの悲痛な叫びが届いたのか、後ろで立ち上がる音がして、こちらに近付いてきたのが分かる。
「俺だって見たくないんスけど。」
嫌そうな息を吐きながら、三人揃って廊下に出ていった。
「お二人とも、早く脱いで下さい。」
「…ちょ。赤葦、誤魔化してくれんじゃねぇのかよ。」
「りらちゃん見てねぇんだから、履き換えた事にしたら良いだろ?」
「…バレたら怒られますよ。」
廊下で着替えているのか聞こえてくる会話。
その後、絶叫が聞こえてきて、きとりちゃんはゲラゲラと下品な声で笑っていた。