第15章 ゲーム
何度か嫌がったり断ったりはしてみたけど、仲直りしたならスキンシップ大事、などと訳の分からない事を色々言われて諦める事になってしまった。
「キスとか無しね。」
「それじゃつまらないでしょ。」
「人には貞操観念どーの、って言うクセに。」
「ツッキーの時とは状況が違うでしょ。」
「酔っ払いのノリって点では同じだと思うけど。」
「アレはアンタの同意も得ずに無理矢理した訳じゃん。今回は王様の命令だから、参加の時点で同意しているとみなす。…不参加認めないけど。」
なんだ、その、独裁的な言い分は。
「それにさ、りらは真面目過ぎ。アンタだって、いつまでもこの家の中だけで暮らしている訳にもいかなくなる。
もし、また仕事でもした時に断れないノリがある飲み会とか、あったらどうするの?りらの事だから、諦めて付き合っちゃうでしょ。」
今現在、諦めて付き合わなきゃいけない状況である。
分かってないから、自分が正しいとばかりにこんな事を言うんだろうな。
「ただ、慣れてない人達と、いきなりノリでアレやれコレやれ、じゃ辛いでしょ。だから、慣れてるコイツ等と予行練習。」
「…練習なんか、しなくても良い。」
「やると言ったら、やるの。」
必要な練習である気が全くしない。
誰か助けてくれないか、と他の人を見回したけど、きとりちゃんの暴走は誰も止めてくれなかった。