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第15章 ゲーム


結果、私の次に黒尾さんが抜けて、木兎さん、赤葦さん、最下位にきとりちゃんの順番だった。

罰ゲーム…私から言い出した訳じゃないし、本当に叩いて良いんだろうか。
迷っていると、男性三人が私の前に並んだ。

「「「お願いシャーァス!」」」

揃えたような威勢の良い声に若干引いた。
叩かれたいのか、アンタ等。

小さく息を吐いてから、三人を順番に思い切り平手打ちをした。
叩かれた面々は頬を擦っている。

「あー…。手が痛い。包丁握れなくなったらどうしよ。」
「なら手加減しろよな!りらちゃんのビンタ、結構強烈だったぜ。」
「これで、あの時の悪ノリと悪戯についてはチャラにしますんで。」

文句を言ってきた木兎さんは無視して、叩いた反動で痺れる手を見た。

「センパイも負けたよな?」
「俺達だけ、叩かれるのは納得いかないんスけど。」

黒尾さんと赤葦さんに捕まって、私の前にきとりちゃんが連れて来られる。
手から視線を、その人に移すと軽く頬を叩いた。

「仲直りのきっかけになってくれたから、これで許す。一番負けだからトランプ片付けてね。」
「あぁ…うん。」

きとりちゃんは、拍子抜けしたように目を瞬かせてから返事をしてトランプを片付け…。

…なかった。
テーブルの上に五枚、ジョーカーとハートの1から4までのカードを残している。

「じゃ、王様ゲーム、始めよっか。」

月島くんに言ったのは冗談だと思っていた。
楽しそうに五枚のトランプを持っている姿を見ると本気だったようで、もっと思い切り叩けば良かったと思った。
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