• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第15章 ゲーム


まぁ、逃げられる訳はないのは分かっているけど。

「アンタは明日も何もないでしょ。座りなさい。」
「やるとは言ってない。」
「いいから。」

予想通り制止された。
何を言っても無駄なのが分かって座り直す。
威圧を含んだ強い口調に負けたのもある。

「賭けをしよう。りら、好きでしょ?
ババ抜きで、アンタが最下位になったら皆をすぐに許しなさい。」

喋りながらカードを配っていくきとりちゃん。

確かに私は賭け事が嫌いではない。
負けた時のペナルティも重くはない。
そもそも、一緒に暮らしてて毎日のご飯もちゃんと作っているのに、本当に苦手な訳ないじゃないか。
だから、殆どノーペナルティと変わらない。

「私が勝ったら?」

乗るのは構わなかったけど、他の人が負けた時はペナルティ無しなんて言わせない。
それを聞いたらやる、と言うように配りきったカードに手を伸ばした。

「そうだね。アンタより、抜けるのが遅かった人には、ツッキーにやったみたいにビンタで。…それで、どちらにせよチャラ。許してやってね。」
「…了解。」

たかがトランプのゲームだし、ババ抜きは半分近く引くカードの運だ。
私は負けても構わない。

周りは勝手に罰ゲームが付いた事で真剣な顔で、カードを眺めていた。

私も同じようにカードを見て、揃っているものを抜いていく。
手元に残ったのは、なんと一枚。
但し、ジョーカーだった。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp