• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第14章 苦手


一時間程して、全員が限界を迎えたのか料理が減らなくなってくる。
初めから無理だと分かってはいたので、残ったものを保存容器に詰めていった。

周りにはぐったりとしている人達。
食べ過ぎで動くのすら辛そうな姿を見て、少しだけ罪悪感が生まれた。

言い出した人が一番悪いし、巻き添え食っただけの人もいるかも知れない。

「…で、言い出したのは誰で、電気消したのは誰ですか。」

皆で顔を見合わせて、指差されたのは一人。

なんで、貴方なんですか。
ある意味、一番信用してましたよ。
苦手なものに分類はしてたけども。
まず、こんな子どもみたいな事をするのは年上組だと思ってました。

その人の前に立って睨むように顔を眺める。

「…赤葦さん、言い訳はありますか。」
「りら、言ったよね。」
「何をですか。」
「りらの事に関しては平等でありたい、って。」

確かに言われていたけど、皆揃って弱味を握ろうとするのは違うだろ。
大体、その独占欲と真逆の思考は理解出来ない。
皆と一緒じゃないと嫌って日本人特有の性質なのか。

私達の淡々としたやり取りを、周りは沈黙して見ていた。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp