第14章 苦手
ゲリラ豪雨は、そんなに長く続きはしない。
段々と雨の音が遠退いていく。
雲が晴れて部屋の中にも少しずつ光が戻ってきた。
やっと落ち着きを取り戻して周りを見ると、両脇にいたのは黒尾さんと赤葦さん。
ついでに目の前には木兎さんがいて、ソファーの背の後ろには月島くんが立っている。
両脇に誰かいるのは分かっていたけど、まさか取り囲まれているとは予想外だ。
暗かったから、そこまではっきりと顔とか見られてはいないと思うけど、急激に恥ずかしくなって勢いよく立ち上がった。
窓から光が入ってくるとはいえ、停電は続いたままで、日が落ちればまた暗くなるのは分かっている。
少しでも明かりを求めるように半開きだったカーテンを開けに行った。
「…ん?」
窓の外、向かい側の家の電気は点いている。
辺りを見回してみると、電気が消えている家なんか一軒もない。
ゆっくりと後ろを振り返ると、逃げようとしている二名と、諦めたのか視線を逸らしている二名。
謀りやがったな。
怒鳴るのは簡単だけど、向こうは四人で、こっちは私だけ。
同時に言い訳でもされたら五月蝿いし、相手にしきれない。
聞こえるように大きな溜め息を吐いて電気のスイッチを押しに移動した。