第13章 月島さんとデート
‐月島side‐
君は、いつまで根に持つつもり?
誰とでも寝れる宣言したり、他の同居人にはベタベタ触られてるクセに僕とは距離あるよね。
キスくらい、君にとっては何でもない事なんじゃないの?
あぁ、逆にキスだけは特別ってタイプ?
「君、キスした事、まだ気にしてるの?執念深いよね。これだから女って…。」
「それは叩いたからチャラだと言いましたよ。」
眉間に皺が寄っているのが見て分かる。
こういう表情は、あるんだね。
「そんな、睨むみたいな目で見てたらバレバレ。やっぱり、アレが原因で嫌われてるんだ、僕。」
これでも悪いと思ってるんだよ。
アレが無かったら、嫌な過去が周りに知られる事は無かったんじゃないかって。
だから、嫌いなら嫌いで構わないから、僕を追い出すなりしてくれない?
他の人と仲良くしてる君を見ていると、落ち着かないから。
「私…性別で判断される言い方が嫌いなんです。だから、睨んだかもしれません。
でも、月島さんの事が嫌いって事はありません。嫌いな人の分まで食事を作るなんて、もうしたくないので。」
あぁ、そういうコト。
これだから女って、の方に反応したんだ。
その事より、含みのある言い方の方が気になった。
「‘もう’したくない、って?」
多分、これも君の心の傷、だよね。
話してくれても、慰めてやる自分なんか思い浮かばない。
寧ろ、そんな事したら気持ち悪いでしょ。
でもね、これだけは分かって。
僕だって、他の人と同じくらいは、君の事を知りたいって思ってるんだ。