第13章 月島さんとデート
翌日はいつも通りの朝を過ごし、昼前に言われたように支度をして待っていた。
一緒に歩くのが月島さんなら、ヒールのある靴の方が良いだろう。
玄関で用意をしていると、目の前の扉が開いた。
「…何?君、そんなに楽しみだったの?」
立っていたのは当たり前だけど約束していた人で、人を馬鹿にしたような笑い方をしている。
否定したかったけど、何か言ったら倍は返るから止めた。
すぐに靴を履いて立ち上がると一緒に外に出る。
殆ど無言のまま目的地まで向かっていた。
足の長さが違いすぎて少し先を歩かれている。
なんとかして横に並ぼうと必死だった。
やっとの事でバイキングの会場まで着く。
店内は結構空いていて、すぐに席へと案内された。
向かい合わせの席で沈黙が訪れるのだろうと覚悟していたけど、すぐに月島さんがスイーツを取りに行った為、気まずくなる事はなかった。
数分で戻ったその人の持つ皿には何種類かのケーキ。
食事の時はそこまで食べないのに、甘いものは別腹というやつだろうか。
別も何も、今の場合は主食は食べてないけど。
「…何?」
「いえ、別に。…私も何か取ってきます。」
じっと眺め過ぎてしまったのか、不審そうな顔をされた。
顔を合わせていてもどうせ会話なんてない。
席を立ってケーキを取りに行った。