第12章 赤葦さんとデート
両端に屋台が並んだ通りを歩く。
時間が早いから、どの屋台も用意仕立てな感じがした。
「…どう、しましょうか。」
来てみたは良いものの、それ程賑わっている訳でもない場所で、子どものようにはしゃぐ事は出来ない。
いや、そもそも元々こんな所ではしゃぐタイプでもない。
「取り合えず、何か食べる?」
視線で何件かの食べ物をやっている屋台を示される。
そういえば、歩き回っていたのもあるし、時間も昼時でお腹が減ってきていた。
「…ジャンクフードは苦手だった?」
答えない私を心配そうに覗く顔。
そうではない、だけど、自分が作った方が安上がりで美味しいのが分かっている。
口に出したら屋台を否定してる感じがするから言わないけど。
「いえ、そんな事はないです。赤葦さん、何か食べたいものあります?」
首を振って大丈夫だと示すと安心したような顔になって、周りの屋台を見回していた。
結局、買ったのはお好み焼き、たこ焼き、じゃがバター。
しかも、しっかり二人分ずつ買っている。
見事に炭水化物だらけのメニューで、食べきれるのか不安になった。