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第11章 黒尾さんとデート


諦め半分に個室で着替える。
こういう施設のトイレに試着用の台が設置されているのはこの為か、と気付いた。

着替えを終えて出ていくと黒尾さんは嬉しそうな顔をして、肩に腕を回してくる。
すぐに何かに気付いたようで、腕が緩んで襟足の方に顔を近付けられた。

「あの、黒尾さん?」
「動くなよ。」

何をしようとしているか分からず、振り返ろうとしたけど制止される。
後ろでプチッと何かが切れるような音がした。

「コレ、付いたままだったぜ。」

目の前に出されたのは服のタグ。
それを付けたままだったのも勿論、恥ずかしい。
だけど、今の行動を思い出すと口で噛み切ったのだと思う。
そっちの方が余計に恥ずかしくて顔を下に向けた。

黒尾さんはこちらが恥ずかしがっていようがお構い無しに、肩を抱き直してきた。
ブライダルフェアの時もそうだったけど、距離感が近すぎる。

しっかりと肩を掴まれてしまっている為、逃れる事すら出来ずに仕方無く歩いていた。
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