第10章 木兎さんとデート
‐木兎side‐
俺、すっげー事に気付いちった。
俺がアコガレてた、手作りの愛情をくれる女が傍にいた事。
料理もメチャ美味い。
そりゃ、羨ましかった木葉の彼女だから当たり前だ。
まぁ、ダチの女に惚れるとか、シュラバ?みてぇなのは好きじゃねぇけど。
木葉とは別れて…いや、付き合いはしてなかったんだっけか?
どっちでもいーや。
今はフリーって分かってっし。
その、りらちゃんが、なんと俺に‘良いお父さんになる’とか言ってきた。
これ、俺の子ども欲しいって事だろ?
抱き締めた腕の中で、恥ずかしがって暴れても無駄だ。
今夜から、メチャクチャ可愛がってやろーっと。
この場でキスくらいしてやろうと思って、顔を近付ける。
必死に目ぇ瞑っちゃって、マジ可愛い。
「…ぐえっ!」
もうちょっとで唇、ってトコで首が締まった。
首に誰かの腕が巻き付いてる。
「何サカってんだ。てめぇはサルか。」
振り返ってみると、邪魔者の黒尾が立っていた。