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第8章 いってらっしゃい


自分の恋愛についてなんか話はしたくなくて、空いた食器の片付けをしようと席を立つ。
私がいなくなったリビング側では話が続けられていたようだけど、洗い物をする音でよく聞き取れなかった。

片付けを終えて戻ると黒尾さんは帰ってきている。

「センパイは明日早いから寝るってよ。」
「そうですか。」

聞いてもいないのにそんな事を言われてしまうと一言しか返せなかった。

「…でな、りらちゃんは俺達の事スキだって言うんだぜ。」
「木兎、何回目だよ。その話。」
「もう6回目ですね。」

目の前では木兎さんが酔っ払ってさっきの事を話している。
呆れている他の反応から見ると、ずっとこの繰り返しだったようで変な話はされていなかったんだろうと安心した。
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