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第7章 アルバイト


ガチャン、とわざとらしく音を立てて料理を乗せた皿をカウンターに置く。
せめて、少しでも気を逸らしたいと思った。

「出来上がりましたので、どうぞ。」

機嫌の悪さを示す笑顔すら作れなかったけど、赤葦さんはそれを察知してデジカメをカウンターに戻す。
やっと巡ってきたチャンスに急いでデジカメを手に取ってポケットに入れた。
見られてしまった後で、今更なんて事は分かっている。

「黒尾、自分で抜け駆け禁止とか言ってたよな。」
「黒尾さん、いつも自分ばっか良い思いしてますね。」
「世の中には趣味悪…、特殊な好みの方が多いんじゃないですか?」

片付けをしていても三人の会話が気になってしまう。
勿論、内容はさっき見た画像の件だ。

「…お、飯出来た?」

空気を割って部屋に入る音と声。
食事中の三人は入り口方面を冷たい顔で見ている。

黒尾さんは意味が分からずに眉を寄せた。
喧嘩にはならないとは思うけど、気まずい空間にはなってしまいそうだ。
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