第7章 アルバイト
後ろでは保存されている画像を見ながら感想を言い合う声が聞こえる。
「りらちゃん、170くらいだろ?相手、チビじゃねぇか?」
残念、ヒールが高かったから普段より差がないだけです。
「これじゃ、画像が小さくて顔は分かりませんね。」
顔なんて貴方達も毎日見てる人ですが。
「そんな気にしなくても紹介してくれるんじゃないですか?どうせ、一緒に住む事になるんでしょ。家主代理さん。」
紹介なんかしなくても、私よりは皆さんの方が知っている人です。
話し掛けられている気もしたけど、調理に集中しているフリをしてやり過ごす。
どうやら、全身を主に取っていた画像では小さい画面で顔まで見えないらしい。
少しだけ安心していると、三人が揃って驚いたように動きを止めたのが気配で分かった。
「…黒尾?」
アップで撮られた画像があったんだろう。
髪型は違えど毎日見ている顔を見間違える筈はない。
木兎さんは声を出して名前を上げ、他の二人に同意を求めていた。