第1章 ふしぎ遊戯 井宿
『大丈夫か!?』
『あっ・・芳准様・・』
『良かった、怪我はないようだな。』
『お面・・が』
『ああ、驚いただろう』
『・・嬉しいです、ずっと本当の・・芳准様を見たくて・・私は』
力を解放した影響で体から力が抜けるよう
そのまま眠りについてしまったを
芳准は静かに抱き締めた
それから数時間後
目を覚ましたの側には
お面を付けていない芳准が見守るよう
側に腰かけている姿に、大きく目を見開く
『夢ではなかったのですね』
『現実なのだ』
『・・素敵なお顔ですね、いつもお面で隠しているのが勿体ないです。』
『お世辞は良いのだ。』
『お世辞は言いません。』
鳥の囀ずる声と葉の擦れる音がやけに
耳に響いて聞こえて、次の言葉に悩んでいると
芳准が先に口を開いた
『正直に言うと、少し怖かった。』
『怖い?』
『この顔を見たにどう思われるかと考えると、なかなか勇気が持てなかったのだ。』
『それって・・』
『嫌われたくなかった、離れて行かれたらと考えただけで怖いと思った・・』
『芳准様・・私もです、私も芳准様が素顔を見せてくれないのは私に詮索されたくないからなのかと、寂しくて・・拒否されたらと思うのが怖かった』
『どうやらお互いに言葉が足りなかったようだな。』
素顔の微笑みはお面とは違い
暖かく柔らかい印象で、つい頬を赤らめてしまった
に対し、芳准は頭を優しく撫で
『お面を取る事が出来たなら、一人立ちさせようと思っていたのだが・・』
『嫌です!お側を離れたくはありません!芳准様のお側にずっといたいです、私は芳准様の事が・・』
それより先を言おうとするのを阻むように
腕を引かれ芳准の胸の中に閉じ込められていた
何がおこったのか理解出来る迄に
数秒かかり心臓が激しく脈打つ音に
気付いた時には恥ずかしさに身動ぐ