第1章 ふしぎ遊戯 井宿
『好きだ』
『!?』
『離れたくはない、その思いは同じなのだ。』
『芳・・准様・・』
『約束を守ろう』
芳准は自分の全ての過去をゆっくりと語りだした
それは想像していたものを遥かにこえる
切なく悲しい記憶
聞いていたの瞳からは
次々と涙が零れ落ちており
それを指先で拭った芳准は悲しげに微笑む
『すまない、を泣かせるつもりはなかったのだが』
『違うんです、悲しいから泣いてるわけではないです・・』
ぐいっと涙を拭うと幸せそうに微笑みを浮かべ芳准を見上げる
『嬉しいです、お話して下さった事が、ずっと芳准様が何を抱えているのか知りたかった、それがどんなに辛い事かは芳准様を見つめていればわかりました・・、私には何もお力になれないかも知れない、それでも芳准様のお側にいる事でお力になりたいです。』
『、ありがとう。』
十分すぎる程支えれていた
過去を捨てる事は出来ない
それでもずっと一緒に旅をしてくれた
のおかげで楽しい時間を
思い出す事が出来た
自分自身辛く悲しい過去を背負っていながら
笑顔で見つめてくれる
君がいてくれれば未来を生きる事が出来る
そう・・
明日も明後日も、一年先もずっと一緒に・・
『信じられません、普通お話途中で爆睡しますか!?もう夕方じゃないですか!』
『ん~すまん、最近ゆっくりと睡眠を取れていなかったから、おかげでスッキリしたのだ。』
『・・すみませんね、私のせいで。』
『それだけ力を付けたと言う事なのだ、嬉しいよ。』
本当に幸せそうな笑顔を見せるものだから
何も言えなくなっていたをよそに
芳准はお面を付けた
『何故またお面を付けるのですか?』
『この方が落ち着くのだ。』
『折角カッコいいのに。』
『素顔を知るのはだけで良いのだ。』
『っ!』