【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第10章 副政務官
セリシアside
なんだか、ふわふわする。
目を開けてみると、そこは真っ白な世界。
白銀って言った方がいいのかなって感じの白い世界。
少々の不安は伴うけど、真っ黒なあの世界よりは何千倍とましだ。
「つーかどこだよここ。」
声に出す。
・・・あ、この声の感じ、夢だ。
現実とは少し違うもの。
なんかふわーとしたこえていうか、なんというか。
・・・そういえばなんでふわふわしてるんだ??
よく地面を見てみる。
だって私座ってるんだもん。
・・・これ、新雪??
新しい雪はふわふわしてることがあるし・・・。
キユノ王国は北国って感じで、冬は当たり前のように雪が降っていたから、覚えがある。
「セリシアどのー??」
突然声をかけられた。
っていうか、「どの」って・・・。
まさかと思い声の方向を向く。
この声には聞き覚えがあった。
「近いうちにおぬしのとこに行くよ。待っててくんない??」
男子とも女子ともとれる声は、心地よく響く。
向いた方向にいたのは、やっぱり知っているやつだった。
「・・・マジで??」
「マジマジ。」
近くにいるんだ。
そういうことでいいのかな?
・・・いや、まて。
「あのさ、近いうちってどのくらい??」
「ん?えーと、2~3日の間には行けると思うけど。」
それはあんまり近くないのかな??
とか思ってると、消えた。
そして、夢も終わりを告げる。