【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第8章 慣れよう。
セリシアside
「あ・・・。」
「??」
「どーしたの??」
ほかの店に行く途中、私はあるものが目に入った。
「・・・それ、服じゃなくて布だよ??」
ピスおねえちゃんに言われるも、手に取って見てみる。
白い布で、すごいきれい。
ホントに真っ白な布は、生地的にもよさそう…。
薄すぎないし、厚すぎるとも思わない。
「これ、買おうかな・・・。」
「え、布を??」
「まあ、買うかどうかはセリシアが決めることだけどねー。」
「えっと、どうやって買えばいいんですか??」
「その人にお金を渡せばいいんだよ。」
お金を用意してその人に渡す。
買ったのは白い布と朱い布。
朱色にも近い色だ。
朱い布はもっとパリッとしたタイプも買った。
「それ、どうするの??」
「作ろうと思う。」
「え、セリシア裁縫できるの??」
二人は驚くけど、一応姫様だった身。
基本的にその辺は何でもできる。
「うん。・・・王国に裁縫セットってあるかな・・・。」
「多分、女官に言えば貸してもらえると思うよ??」
なるほど、確かにと思う。
「・・・ねえセリシア、服でどう見せるかを決めるから聞くけど、セリシアっていくつなの??」
「そういえば、私も聞いたことなかったわ。いくつなの??」
あれ、私言ってなかったっけ。
でも確かに、食事の時にした紹介では名前しか言わなかった気がする。
「16だよ。」
「「え!?」」
そりゃ、童顔だけどさ。
そんなに驚くもの??
「ああ、ごめんね。」
「もう少し子供だと思ってた・・・。」
「むー。別にいいよ、よくあることだもん。」
身長低いし、童顔だし。