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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第3章 出会い


どうも困った。
幸いというのか、シンは見つかった。
ちょっと探すのに手間取ってはいたが。
ありがたいことに、住民が教えてくれた。
ただ、困ったのはその先だ・・・。

――5分ほど前――

シンの情報を得て、その方向に向かう。
まだ何もしていないだろう情報に安心はした。
そこで、ようやくシンを見つけた。
が、その直後、道に倒れるように消えた。
実際、倒れていた。
一瞬、何者かにやられたかと思ったが、どうも酔いつぶれただけらしい。

「さあ、シン。そんなに酔ったなら、帰ります・・・よ・・・?・・・」

だが、そのシンを引っ張った途端、言葉を失った。

ジャラララ・・・・・・。

鎖のような音と共に、シンが持ち上がる。
いや、逆だ。
シンが持ち上がると、音がする。
それは、シンともう一人を巻き込んでいた。
おそらく、シンの下敷きにあった人だろうが…。

「ちょ、だっ大丈夫ですか!?」

その人は、目をつぶっている。
悲鳴を上げることもなく、目をつぶっている…。
というより、気を失っている。
こんなことはジャーファルも初めてで、顔が青ざめる思いがする。
引っぺがしてシンを目覚めさせて謝らせたいのだろうが、鎖はつながったまま。
アクセサリーとした鎖は、音を立ててつながっている。
シンの金属器に絡まったのだろう…。

「ジャーファルさん?」

後ろを振り向くと、マスルールがいた。
はっきり言って、助かったと思うジャーファルは、マスルールに手短に説明して、宮殿に運ぶことにした。
別に一人で運べなくもないのだが、持ちにくいうえにシンの方が身長が高い。
だったら任せた方がいいと考えたのだった。
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