【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第7章 ひと段落、したと思ったら。
セリシアside
この声がジャーファルさんだ、と気づいたら、急に視界が明るくなった。
世界は暗い闇なんかじゃなかった。
「・・・明るい・・・。」
最初に思ったのはそれ。
明るい部屋は、なんとなく、安心できた。
「・・・ジャーファルさん??」
視界がはっきりとすると、すぐそばにいたのがジャーファルさんだと分かった。
ああ、そういうことか。
「そっか・・・。」
暗い闇の中、そばで声をかけてくれたんだね。
「大丈夫ですか??」
心配そうな顔。
そんな顔しなくてもいいよ。
でも、体はなんか暑いしだるい。
「・・・わかんない。」
頭痛が起きてるし・・・。
ああ、瞼が落ちてきた・・・。
やだ・・・、またあんな暗いとこには行きたくない・・・。
「安心して寝ていいですよ。ずっと私がそばにいますから。」
察してくれたのかな・・・??
ありがとうっっていいたくなった。
けど、瞼は落ちてきた。
ああ、そばにいてくれるなら、怖くない。
手を握ってくれてる。
ぎゅっっと握り返してみる。
そしたら、むこうもぎゅっって返してくれた。
そして、今度は安心して眠りにつけた。