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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第7章 ひと段落、したと思ったら。


セリシアside(夢)



―――――セリシア姫を殺せ!!

―――――スノーウェル一家は生け捕りだ!!

暗い、暗い世界。
闇としかたとえられないこの世界をいったいどのくらい走っているのだろうか。
なにか、望まれないものに追われている気がする恐怖は、ずっと追ってくる。
もう、いやだ・・・。

―――――セリシアさん!!―――――

え・・・。
突然、今までとは違う声がした。
さっきまで、恨めしく恨まれているような声だったのに。
今の声は、知ってる声だった気がする・・・。
透き通るような声じゃないけど、光を感じる声。
清らかな人間が持つ澄みはないけど、やり直したような光の声。

―――――ジャ・・・で・・・安心して―――

言葉はとぎれとぎれにしか聞こえない。
だけど、今確かに安心してって・・・。

―――――セリシア姫を殺せ!!

―――――スノーウェル一家は生け捕りだ!!

さっきからの声は、まだ続く。
安心なんてできないよ…。
だけど、気のせいだろうか。
悪しき声が、少しだけ、ほんの少しだけ、遠のいた気がした。

―――――大丈夫ですから・・・。

誰だっけ、この声…。
私、知ってるよ。
心が落ち着く声。

―――――安心してください。私がここにいます。

今度は、はっきり聞き取れた。
本当にいるの??
見えないだけで、一緒にいてくれてるの??
そうおもうと、なんだか、気持ちがらくになった。
ああ、そうだ。
この声は・・・

ジャーファルさんだ。
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