【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第7章 ひと段落、したと思ったら。
ジャーファルside
それでも、彼女は目覚めない。
「や・・・て・・・た・・・す・・・て・・」
ずっと呻いている。
「・・・あなたは、何を見ているのですか…。」
何にもできない自分はが恨めしい。
ちからになってやれない。
「大丈夫ですから…。」
早く目覚めてほしい、それしか考えていられない。
「・・や・・・ぅ・・・ぁ・・・」
ぎゅっと手を握りなおす。
「安心してください。私がここにいます。」
すると、彼女の眼から、涙が一筋、でた。
苦しそうで、顔は赤い。
そんな彼女を見ていると、抱きしめてあげたくなった。
もちろんそんなことをすれば、シンと同じだ。
するわけにはいかない。
「・・・ぅぁ・・・・」
唸りが、少しずつ、減ってきた。
すこしだけ、よかった、と思った。
まだ唸っているから、簡単によかったとは言えないけど・・・。