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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第7章 ひと段落、したと思ったら。


セリシアside(夢)


はあっ、はぁっ・・・!!

必死に逃げる。
暗い、暗い闇。
先は見えない。
後ろを振り返る余裕はない。

―――――スノーウェル一家を逃がすな!

―――――スノーウェル一家を生け捕りにしろ!!

―――――セリシア姫がいたぞ!!

何も見えない世界。
だけど、声は聞こえた。
遠くから聞こえるものではない。
でも、近くから聞こえる声じゃない。
どこかくぐもったような声。
不気味な、声。

―――――セリシア姫を逃がすな!!

―――――セリシア姫を殺せ!!

殺される、そう思って、逃げ続ける。

―――――セリシア姫、逃げるな!!

―――――セリシア姫、死ね!!

嫌だ。
怖い・・・。
助けて・・・。

―――――スノーウェル一家は生け捕りだ!!

―――――セリシア姫をとらえて死なない程度に痛めつけろ!!

聞こえてくる声は、決していいものではない。
同時に伸びてくる手。
誰のものかはわからない。

―――――セリシア姫がそっちにいったぞ!

逃げても逃げても、声が途切れることはない。
知らない人の声は、鳴り止まない。
同時に、無数の手が追ってくる。
数えきられない数の手、腕。

お願い・・・。
こないで・・・。
助けて・・・。
嫌だ…。
怖い…。
ジャーファルさん・・・・・・。
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