【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第7章 ひと段落、したと思ったら。
ジャーファルside
「ただの風邪のようです。」
ヤムライハが来てくれ、ざっと診察してくれた。
ただの風邪と聞いて、安心する。
「セリシア、急に倒れたんですよね。」
「はい。」
「風邪以外の症状はなさそうなので、時がたてば治るでしょう。」
「すいませんね。」
「いえ、いいんですよ。多分、戦ったのが体にきたのかも。最近戦ってなかったってさっき言ってたので。」
「そうですか・・・。」
来たばかりだったのに、無理をさせてしまったかな。
シャルルカンと戦わせたのは、失敗だっただろうか。
「王に報告してきますね。ジャーファルさんはセリシアについていてあげてください。かなりの高熱なので、心配なので。」
「では、私が報告に行きましょうか。」
「あ、いえ、いいんです。それに、ピスティに呼ばれてるので。」
「お騒がせしてしまって、申し訳ございません。」
「いえいえ。」
そう言って、ヤムライハさんはその場を離れて行った。
あとに残された私は、セリシアさんのそばに行く。
あれから、一度も目覚めていない。
それどころか、さっき倒れていた時よりもつらそうに見える。
セリシアさん・・・。