【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第7章 ひと段落、したと思ったら。
ジャーファルside
「セリシアさん!!」
自分の部屋に戻ろうと思い、セリシアさんの部屋に背を向けた瞬間の出来事だった。
ガタンッと大き目な音をたてた。
振り向くと、そこには倒れたセリシアさんがいた。
「だいじょうぶですか!?」
近寄って上半身を抱き起しながら問うが、言葉はおろか、反応さえもしてくれない。
「あの、なにかございましたか・?」
後ろから声をかけられた。
女官だ。
「セリシアさんが倒れたのです・・・!!」
すると、女官は人を呼びます、と言ってそのばを去った。
「いったいどうして…。」
ついさっきまで話をしていたはずなのに。
突然倒れられた。
だが、うろたえている暇はない。
彼女を横抱きに抱きかかえて(世で言うお姫様抱っこ)、開きっぱなしのドアから中に入る。
大きな音がしたのは、おそらくドアに体をぶつけたからだろう。
ともかく中のベッドに運び、いったん離れて部屋に明かりをともす。
「セリシアさん・・・。」
ベッドに近づいて、彼女を見る。
反応は示さないで、少し苦しそうだ。
でも、息はしているので、大丈夫だろう。
なんとなく、彼女の額を撫でてみる。
「アツッ!!」
予想しなかった温度に驚く。
か、風邪・・・???