【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第31章 あとがき
セリシアSIDE
「ありがと、ジャーファル。」
照れ隠しとしてもやっぱりなんだか寂しくて、つい物足りない顔でもしたのだろう。
少し慌てたようにジャーファルは言った。
「いや、あの!…実は、もう一個…あるんです。」
「…もう1個?」
つまり2個目の指輪を用意したの??
え?
嬉しいけど、なんで?
「正直、悩んだんです。渡そうとは思ってたんですよ?でも選びに行ったらその…意味とか、考えてしまって。」
顔を赤くしながら必至に訂正するジャーファル。
…なんだろう、ジャーファルが慌てる姿なんて普段見ないからか、変に落ち着いてきた。
「右手の人差し指の意味なら、おまじないとして渡せるなーなんて考えまして。それなら、ちゃんと着けてくれるかもしれないなと思ったんです。」
「…え、指輪着けないと思ったの?」
「装飾品を着けているところなんてあのペンダントしか見たことありませんし。」
「それはまあそうだけど…。」
無くても支障は無いし、持ってないから着けてないだけなんだけどね。